民主党政権の瓦解と日本の行く末

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儚(はかな)いとは、人の夢とかくのですね。民主党が政権をとっていたことは歴史の流れの中で、あっという間に儚い夢だっということになるのでしょう・・・・・今となっては、民主党はどんな夢をもっていたのか、彼らに夢みるだけの力があったのか、終わってみるとすべてが疑わしいものでしたね。少なくても、政権の閣僚ポストを手に入れた政治家だけが、短い夢をみたのかも知れませんが馬鹿馬鹿しい政権であったのは間違いないことです。

お粗末な政権でした。3年3ヶ月前、みんなが自民党の悪政に怒り狂って待ち望みようやく作った新政権であったにもかかわらず、民主党は国民の期待を平気でことごとく裏切り、ドジョウのような野田政権は、泥の中を全く見せずに「未来の日本の世代ために消費税」を決断したと嘘(うそ)ぶいたのですから・・・国民がこうした嘘を見抜けないわけはありません。。おそらく黒子としてあくどい官僚たちが暗躍していたのでしょう。彼らの命ずるがままに、消費税も普天間のことも対処したのでしょうから・・・・

3.11の原発による大惨事が起きたとき、真実の報道がなされずに多くの人々が被爆したことは、民主党の多くの愚策の中のひとつにすぎません。民主党が豪語した仕分けも公務員改革や天下り対策も全く中途半端でほとんどなにもなされませんでしたね。保安院と東電との癒着構造に多数の天下りがありましたが、こうした構造改革には一切手をつけませんでした。


政権にあったとき、国民から拍手喝さいされるような決断はなにもなかったのに、野田政権は自らの大胆な「決断」だけを高く評価して強調して見せたのです。しかし彼が決断できたのはどの政権もできなかった国民が困窮する増税政策だけだったのですから。

つまり民主党は、枚挙にいとまの無いほどに、愚かしい政策が立て続けに打ち出していったのですが、中でも消費税の大幅な増税は決定打ともいうべき愚策の頂点に立つものでした。歴代の強力な政権でも手のつけられない消費税の増税を、党を割ってまでも三党で独断的に決めたことです。民主党からは国民の心は完全に離れていったのでした。

 普天間基地の移転問題でも、国民の期待を大きく裏切り、鳩山は二転三転して後退し普天間でも国外移転もできぬままに、現在ではオスプレー機が全国の空を飛び回っているのです。沖縄での米軍の犯罪を糾すための基地協定の改定についても、民主党はなんの手も打ちませんでした。



なんのために自民党と代わって政権をとったのか、意味がわかりませんでした。、そして尖閣列島の領有権の問題では、帰着点もわからずに石原の発言に挑発されて「閣議による国有化宣言」という強硬措置を行い、日中関係は経済的には断絶に近い状況となり、なにもできない無能力の日本外交の力をまざまざと見せ付けたのですから、そしてマスコミは、中国の領海や領空侵犯の映像だけを繰返して放映し、若者を含めて国民の多くが領土を守れ、と愛国者へと走っていったのも無理はありません。


12月16日、日比谷で開かれていた「脱原発世界会議2」に参加しました。その中で発言者の次の言葉にひっかかりました。それは「会議で、経済学者の金子さんが、日本の20代の若者の多くは、脱原発派ではなくて原発推進派であると報告したというのです。しかもその理由を若者に尋ねると「原発が廃止になると経済が打撃を受け、生活に非常に困る」と述べたそうです。それを聞いてからは若者たちとの脱原発についての大きなギャップが気になりました。原発にしても原爆にしても、世代間の考えかたの違...いは、今回の選挙結果には大きな影響を与えていますから。

 これは大きなショックでした。若者であればあるほどに未来を考えて「脱原発」かというと全くそうではなかったのです。脱原発の多くは、50代、60代など人生の熟年層によって占められており、これから人生を構築しようとする若者たちは脱原発について考え方が大きく異なっているということー特に20代の若者たちは、就職や生活など直面している経済生活で頭がいっぱいで、とても脱原発どころ...ではないというのです。彼らは、生まれたときから、原発のエネルギーによって恩恵をうけてきた層なのです。

彼らの姿勢を批判するのは簡単ですが、脱原発を実際に進めるためには、もう少し具体的で実際的な経済との連携や自然再生エネルギー社会への道のりを説得的に示さないと彼らの幅広い賛同を得られそうはありません。かれらの賛意をえるには、単純に「脱原発」と唱えるだけではなく、日常の改善に具体的につながるようなきめの細かい説得が必要な所以で、若者たちとの深い連携が必要だと思ったわけです。ひとは、自分の運命を関心をもってくれる存在に最も関心をもつものなのですから・・・・・

頭だけでは誰も動かず、実際の票にはつながっていかないということ。今回の戦後最低の投票率という低さが示しているものは重大です。政治に対する徹底した無関心さを示してていますから。それには今回、民主党が、人々の大きな期待をことごとく裏切ったことからも由来していますし、多くの難関や課題に対して有効な政策を全くうち打ち出せなかった無能な政治に興味がないことからも来ていると思います。


若者たちは、脱原発だけを唱えている層にも関心はないのだろうと思います。彼ら自身がかかえている問題を全く問題にしてくれないのですから・・・今回、自民党票は減りこそすれ、全く増えていないのに議席数では圧勝したのですから・・・無関心層がちょっと増えるだけで形勢は逆転してしまうわけです。これは大きな課題です