日本に繁栄をもたらしたのは「平和憲法」であり、戦争にあけくれた明治憲法ではない。

日本を衰弱・孤立させた要因は「平和憲法」だと維新の石原代表が述べているーこれは果たして真実か!?否これは真実ではない。虚偽の最たるものである。戦後、70年も経過してくると、戦争を作り出した政治家が「忘れやすい民族」の前で再び息を吹き返して、平気で平和を壊し始めるのだ。

ドイツなどは、自国の国粋主義者によって戦争の惨禍を体験したことから戦前のナチスが復活しないように、政治の世界にさまざまに有効な政策を取り入れている。日本でも、みんなが忘れないように、戦後の平和と発展は、平和憲法がもたらした恩恵であることを確認しておかないと必ず歴史を繰返すのである。どこの国でも平和が長く続けばそれは金属疲労をもたらすからだ。戦争を行って一儲けしたい輩が必ず出てくる。

日本は明治欽定憲法の下で、近隣諸国に侵略しながら欧米などに対峙して戦争を拡大させてきた経験をもつ。1889年、明治憲法を発布してからというもの、日清、日露、第一次世界大戦日中戦争(15年戦争)、第二次世界大戦(日米戦争)など、すべての戦争の中に日本人の生活があった。


戦後70年も過ぎてしまうと、新世代はなにも過去から、学ばずに未来を生き抜こうとしている。戦後、団塊の世代が、戦争を体験した世代から何も学んでこなかった代償は余りに大きい。世の中には金属疲労という言葉があるように、平和も70年も過ぎれば疲労するところがある。戦後、70年が過ぎて、今一度、平和、「戦争」やそして「平和憲法」について、考え直す重要な時期がきているのを感じる。そうでないと日本維新の党の石原や橋下のように狂った新右翼が日本を極度の混乱と緊張の中に陥れるだろう。そして政治とはつまるところ、経済であり、経済の振興のためという名目と雰囲気が醸成されている。尖閣列島の領有権争いの中で、マスコミにひたすらに煽られた国民は、声を大にして国防や戦闘能力の向上を叫び、その勢いを買っては軍需産業が伸びていく。全く危険な兆候である。


考えてもみよう。日本はなぜ、日本は過去の歴史の中でたくさんの戦争に参列してきたのか?それは明白である。それは戦争に勝利し領土を拡大し莫大な権益を海外から得ようとしていたからである。日本は敗戦したが、欧米諸国は、今日まで敗戦を知らないために、植民地などを世界中に持ち、帝国主義の生き方のままにカモフラージュしながら全世界に権益を有している。日本は、明治維新以降、自らの狭い国土や弱小の資源を憂えて、維新以来、富国強兵策で領土の拡張や拡大を願ったのが、日本の帝国主義の魂胆そのものであった。これはすべて欧米のやりかたを見倣ったものであるが、その結果、中国や朝鮮半島をはじめ、近隣諸国の権益を収奪するとともに、多くの国々に人や財産において甚大な被害を与え、それは同時に日本国民自らは、二度にわたって原爆を投下されるという戦争の悲劇をもたらした。こうした悲痛な歴史をもたらした戦争犯罪に対する反省が行われていないところが「なんでも水に流す」国民と呼ばれる所以である。つまり毒蛇が生き延びてくるのである。


 日本維新の党代表の石原慎太郎氏は、このような戦前の悲痛な歴史を一切省みることなく今、「日本を衰弱・孤立させた要因は、戦後の平和憲法」だと宣言している。これは石原が、暴走老人どころか、耄碌(もうろく)老人として生きている死ぬ間際の発言としては余りにも危険である。すべて彼のこうした発言の根元には、自民党の安倍元首相の「国防軍」などの考えに合流しようとしている危険な流れが存在している。



想像力が貧困な国民は、凄惨な悲劇を何度でも経験する。

考えてもみよう。日本の戦後の発展とは、海外の領土を掠め取ったりして行われたものでなく、また日本から兵士を海外に一度たりとも送ることなく貿易立国として達成してきたもので、、そして戦後70年間にわたって一人の日本人も戦火で殺されたことがなかったことは偉大なる誇りでもある。こうした平和環境で、経済発展が達成されてきたのは、平和憲法による理想国家の目的でもあった。


石原は「原爆を開発して、新戦艦大和日本海南シナ海に浮かべようというのであろうか?おそらく尖閣列島付近の海域や日本海に新戦艦大和を常駐させ、北朝鮮の核や中国の核に対して対等に日本の核を準備しようというのであろうか? 最近の石原の発言に、「核のシミュレーションを行って相手国を威嚇せよ」とあるが、こうした彼の勇ましい発言や対決的な外交関係によって、中国とは極度に経済関係が損なわれてきたことを全く気にもとめていない。彼は発言するたびに、日中関係の経済文化は凍りつき、経済関係はしばしば戻る事のできない破綻に導かれてようとしているのが目に見える。中国の好戦的な右翼を助長させるからである。こうした日本維新党や自民党の動きに、日本国民はいったいなにを託そうというのであろうか? 


これまでの戦後の歴史を振り返れば、朝鮮戦争や、ベトナム戦争湾岸戦争などにおいてアメリカ政府のタカ派の強い要請によって日本の自衛隊派遣はぎりぎりの危険なところに置かれていた。しかし、戦争を体験した国内の多数の人々の反対運動によって、こうした危険な流れを幾度も断ち切ってきた。しかし、コブラのような戦争という危険な毒蛇は、なんど頭を切られてもいつの間にか復活するのだ。彼らは頭と胴体が離れても、毒蛇の頭だけでも、相手を噛み殺す。つまり決して油断してはならないということだ。油断するとあっという間に全国の原爆の兄弟の原発すらすべてが再稼動され、そして脱原発の動きに対して、戦闘的な機動隊が国会デモや首相官邸デモに展開されるだろう。

日本を衰弱・孤立させた要因は「憲法」と維新の石原代表ーこれは真実か!?これは真実ではない。虚偽の最たるものである。

日本国民よ!目覚めよ!! 民主党のような自民党の別働隊ではなく、真実の政治をめざす政党を日本の中に育てあげよう!







2012年12月9日  朝日コム


日本を衰弱・孤立させた要因は憲法」維新・石原代表

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石原慎太郎日本維新の会代表


 (選挙後の自民党との連携は)そりゃ当然、是々非々でしょうね。ただ、やっぱり自民党っていうのは、一番大きな政治イシューである憲法を、どこまでどういう風に変えるか。共闘(関係)である公明党が、かなりリラクタント(渋っている)なんじゃないですか。この問題は、やっぱり諸悪の根源。日本を衰弱させて、孤立させた一番大きな要因。国民の意思まで低下させた憲法っていう醜悪な法律ですよ、私から言わせると。(フジテレビの報道番組で)・・・・(略)