なぜ日本で、二度も三度も原爆や原発が爆発したのか。これは偶然ではないーH.ボヤン博士

ハインリッヒ・ボヤン博士が語った。

「世界の実在は、欧米人の認識では捉えきれない。彼らの実在とは、常に望遠鏡で存在の有無を確認するようなものだ。もし望遠鏡がなかったら、果たして存在がないと言えるだろうか」

「人間世界の不幸は、中世に望遠鏡を発明されたことに始まる。望遠鏡の発明のあとヨーロッパ人は、水を蒸気に変えて莫大なエネルギーを生み出すことに成功して、産業革命を起こした。この産業革命なるものが、人類の欲望を飛躍的に拡大させ、そして原爆と原発と言う核文明を築くのに成功した」

産業革命によって、世界のさまざまな大陸に、ヨーロッパの聖書を片手に、軍隊が派遣されて多くの文明国が滅ぼされていった。実は文明国とは、生き物や人を殺さないのが文明であるのだが、欧米の文明とは間違った文明国で殺戮の歴史そのものであった。日本も文明国の皮をかぶった怖ろしい存在。なぜに日本で、二度も三度も原爆や原発が爆発しているのか、それは決して偶然ではない」

「今、宇宙が政治家や科学者たちの誤った文明観によって、破壊されようとしている。しかしその実態は誰も知らない。それは、彼らが片手に相変わらず宇宙を観察する望遠鏡をもっているからだ。それは人間を観察する望遠鏡ではなくて、物そのものを見つめる望遠鏡だ。何度も言うが、宇宙とは眺めるものではない。自らの心を静かに振り返るものだ。今人類に必要なことは内省があるのみだ」

「人間とは、宇宙の一部分であり、全体でもある。不幸にして、そういう考え方は欧米には存在しないし育っていない。そのため世界はいつも巨大な不幸に見舞われる。アジアの多くの新興国も、ただ欧米を真似して文明国の仲間入りをしようとしているが、その果てには無限の殺戮と崩壊があるのみである。こうした殺戮や破壊を防ぐには、どんな人間も宇宙そのものの存在であることを自覚することに尽きる。そのために学問は存在する。

第一次大戦前までは、兵隊は兵隊だけを攻撃して勝敗を決めてていたが、現在の戦争とは戦争には全く関係のない一般市民や無数の生物をすべて殺戮する全面戦争である。こうした悲惨な戦争は、宇宙には存在しない。人間だけが生みだしたものだ。」

「これから人間世界が幸福になる鍵は、宇宙や自然の循環思想を体現することにある。循環とはまわりまわって元に戻ってくることを言う。簡単なことだ。生命とは仮の宿りの意識に過ぎないのであって、その生命を固定化して、偶像化してはならない。人間とは流れる光の水である。