韓国、中国、ロシアとの領土問題の解決

現在のように、韓国、中国、ロシアとの領土問題において、日本が適切な方向を明確に国民に示せないと将来の世代に大変重大な禍根を残すことになりかねません。現在の状況では、それぞれの国が、国民を喚起させながら軍事力をただ強化する道だけを進んでいるように見えます。そしてその先には、どのような悲劇でも勃発するのです。
領土問題はサッカーのようなスポーツの問題ではありません。近代日本のたどった負の歴史の問題なのです。解決は容易ではありません。

日本は各国との領有権の問題は、一番身近な国から解決していくべきです。それにはまず韓国との間で、まず竹島(独島)問題を解決すべきです。中国との尖閣列島やロシアとの北方問題などを同時に解決することは絶対に不可能だからです。いずれの国々も日本よりも強大になっているのですよ。ですから最も効果的に段階的な戦略を練らねばなりません。

まず領土交渉では、ロシアが占有している北方領土の返還が最も難しい課題です。ロシアの経済は今後ますます改善されて強大な国家となっていきますから、現在主張しているような4島の一括返還などはまずあり得ません。夢物語です。 1990年の冷戦の崩壊期に、西ドイツが東ドイツとの統一を行ったように、ソ連との外交交渉を本格的に行ったら可能であったかもしれませんが、そうした最大の機会を外務省も国民も逃してしまったのです。 日本人の外交的な交渉能力では、領土を回復する力はありません。

戦略的には、まず2島の返還に最大の力を発揮すべきです。これならばロシアとの交渉は平和条約をからめて可能です。戦争で負けた国には4島返還などありえません。沖縄返還にしても、アメリカは実質的に、現在も大部分を占有しているのですから。ロシアとの外交交渉では、まず2島返還を実現して、将来的に4島返還へはずみをつけていくのです。これは100年ぐらい時間がかかる難題です。


中国との懸案である尖閣列島の領有権は、日本は物理的にも断固として主張すべきです。日本にはその権利があります。尖閣列島は、古くから琉球王朝に属していたからです。日本は琉球王朝沖縄県編入したのですから、その権利は日本にあると考えるのが普通です。しかし領海は中国と共同で開発すべきです。それ以外に解決はありません。共同開発となると中国は経済の観点から、建て前と本音で妥協して日本の領有を認めてくるでしょう。 しかし中国は国内向けには、絶対に妥協しないことは見え見えですから、 海洋の共同開発でこの難題を乗り切ることです。中国国民もこれは理解するでしょう。


津波地震などの自然災害や原発被災などと比べても、最も悲惨な形態は、人間による憎しみをもって行う戦争なのです。知っていますか? 現代はマスコミの動きようで、人々の憎しみを無限にかきたて、平気でどのような戦争でも勃発させます。大変危険な時期なのです。 イラク戦争が、どのように始まったのか?アフガニスタン戦争がなぜ始まったのか?その背景は・・・・日本は、韓国とは、領有問題でいつまでも争うのは避けなければなりません。竹島は韓国へ譲るべきです。日本は植民地にした体験からも、懐の大きさを示して謝罪すべきなのです。領有を主張するべきではありません。明確な歴史的根拠はありません。


韓国との懸案の竹島問題では、日本は韓国の竹島占有を認めるにしても、しかし領海だけは絶対に共同使用を提案すべきです。これが外交交渉の実質的な内容になるべきです。これは歴史の贖罪意識からも、日本は、竹島領有に固執して主張すべきではありません。韓国とは仲良くすべきです。韓国との敵対関係は絶対に避けるべきです。領海権だけ強硬に主張し共同使用とすべきで、花は韓国へ、実は日本へ、これが竹島型の解決方法です。


1904年、日本はロシアとの戦争に勝利すると大陸に進出しようと企てました。そのため朝鮮を属国(植民地)にするため、日露戦争に勝利した勢いをもって、1905年、竹島島根県編入したのです。そして1910年には韓国を植民地としてしまったのです。日韓併合とは武力をもって韓国を属国にした侵略の歴史のことです。ですからこうした歴史の中で、日本の侵略を韓国の人々が認めると思いますか?古地図だけで、占有を解除することは不可能です。日本があくまでも竹島の領有を主張したら、日韓関係は経済でも文化でも完全に破綻するでしょう。それだけは絶対に避けるべきです。日韓中は、相互が貶めるのではなく、共存共栄で協力すべきです。


2011年8月1日、竹島(韓国名・独島)の玄関口にあたる鬱陵島ウルルンド)などを視察するためソウル近郊の金浦空港に到着した新藤義孝衆院議員ら自民党議員3人の入国を韓国側は拒否しましたが、これは当然の措置です。これは賢明なやりかたです。こうした政治目的の一行が韓国の国民的な猛反対の中で、ウルルンドを無事に視察できると思いますか?血染めのたすきで決死の覚悟で抗議するグループから身の安全を守るのは、まず不可能です。投石などで怪我でもしたら、いったいどのような嵐が日韓に巻き起こるか想像してみて下さい。韓国の当局が、こうした政治目的の偏狭な自民党政治家を拒否するのは当然のことです。


国内で進行している深刻な原発問題や政治の醜態や混乱を、すべて国外の竹島問題にすりかえようとしている意図が明瞭です。日本と韓国との憎しみや対立を高めようとしている政治家の汚い手です。いつも国民はその手に乗せられるのです。政治家は、本当に罪な存在です。人々の相互理解ではなく、相互の憎しみをかきたてて得点しようと試みるのです。関東大震災が起きたあと、8年後になにが起きたと思いますか?軍部は、経済的困窮の脱却を標榜しながら満州事変を起こして、戦争を始めたのですよ!経済が行き詰ればかならず国家は、国粋主義をかきたてるのです。

いつの時代にも政治家の動きには要注意です。国内の津波原発問題で苦しむ人々の関心を、こうして韓国との対立に向けさせようとしているのは最大の罪悪です。自民党民主党も、日本と韓国との歴史の中での人々の苦渋の意味がわかっていないのです。あなたは本当に竹島が日本領だと思っていますか?もしどうしてもそうだというのなら、ハーグの国際司法裁判所へ訴えたらいかがですか?日本人は古来から余りにも貪欲で、歴史的には常に大陸に侵略しているのです。

1904年の日露戦争で勝利した翌年1905年、日本政府は、竹島島根県にこっそりと編入させ、1910年には韓国を植民地にしてしまったのです。1905年ごろ、韓国は強大な武力をもって侵略してくる日本軍部に、どうしても抵抗できなく反対の意思表示ができなかったのです。歴史環境がそうした中にあったこと、そして人の住めないような環礁ともいえるような島の経済的価値を韓国の人々が当時理解できなかったのは当然でしょう。日本人はもっと正しく自らの侵略の歴史について学ぶべきです。


日韓中が相互協力を行うことは、大変な利益をこの地域にもたらしますが、もし相互の憎しみの摩擦を勃発させたら、経済的にも文化的にも100倍を超えるような大きな経済的な損失を、この地域が被ることでしょう。日本は、ノーベル賞の受賞者の最大の増加を基礎とするような経済や文化力で国力を図るべきなのです。最先端の科学技術が生み出す経済的な価値は、竹島が生み出す価値の何百倍にもなっていきます。そして日韓が共同で、中国との交渉のために相互協力をすべきときなのです。それは東南アジアなどの国々も支援の輪に加わることでしょう。そのためにも竹島を日韓の友情の島にしようではありませんか?