「人類よ宇宙を目指せ、地球にとどまれば絶滅」―これは正しいのかホーキング博士の警告

人類が生き残るためには、地球を脱出して宇宙に向かうしかない―― 英国の宇宙物理学者スティーブン・ホーキング博士は、2010年8月9日、 各方面の有識者らの意見を掲載するウェブサイト、ビッグ・シンクでこのように警告した。

「人類よ宇宙を目指せ、地球にとどまれば絶滅。地球だけを見つめた内向き思考はやめて、宇宙へと視野を広げるべき」と語り、 人類が抱える問題の解決策を地球上だけに求める考えを改めるよう諭した。また、人類は前例のない勢いで危険度が増していく時代に突入していると警告。

「人口が幾何学的に増加する一方、地球の資源は有限。 さらに、技術の進歩は良くも悪くも地球環境を変えるまでに至った」との理由から、 22世紀以降の人類の未来は「宇宙にある」と断言した。 博士が有人飛行を支持するのも、このためだという。

しかし、地球未来の生物学者のハインリヒ・ボヤン博士(日本)は、「宇宙には人間が住めるような幸せな星はないのではないか。人類は「宇宙の青い鳥」を求めて地球を飛び立っていくとでもいうのであろうか?ホーキング博士は、人類は地球を脱出することよりも、地球をいかに最大限住みやすくするか? 人間がいかに地球で幸せに住めるようにするかの知恵や技術を出すべきではないのか?」と反論している。


ホーキングは、「地球だけを見つめる内向き志向はやめろ」と警告しているが、その前に、海を地や大気を完全に破壊していく21世紀文明での生き方への警告が、脱原発人口爆発に関しても具体的に行われるべきである。物理学者は、人間を生物としての存在とは捉えていない。それが彼らの使命だと思っている。そのため核文明を含めて、地球の現在の悲惨さは、物理学者の極めて限界的な貧しい思考から由来している」とボヤン博士は批判している。


そしてさらにボヤン博士は、「彼らは、光や物の存在を、温かい生物の視点ではなく、「冷たい物」の存在から思考している。しかし実は宇宙とは、「光とは冷たい存在ではない」。生物を育み生物を幸せにさせる宇宙そのものなのだから。人間だけが、核の光を作りだして無限の不幸に突入している。そこには物理学者たちの、生物に対する思いあがりが存在している」とし、またホーキング博士は2010年4月、テレビ番組に出演した際に、 「破滅的な結果をもたらす恐れがあるので、宇宙人とのコンタクトは避けた方が賢明」と語ったことを批判して、
「これには大きな疑問がある。人類が生き抜くためには、宇宙における新しい知恵を生み出していかないと、人間だけの知恵や技術ではこの地球を守り育てることはできない。宇宙における地球を半永久的に育てていくためには、たくましく多様な知恵を生み出す教育が必要な時代に入っている。そして宇宙とは、はるかな彼方に星雲が存在する宇宙ではなくて、人間自身ー私自身から始まっていることの認識が必要である。つまり人間自身こそが、宇宙の部分であり全体なのだから・・・宇宙を目指せとは、実は新しい人間を目指せということにほかならない。宇宙人との遭遇も必要なのだ。地球とは、実は呼吸しながら生命を育んでいる宇宙そのものであるから。。。。。。。。。。。。。。。


宇宙とは、ホーキング博士のいうように地球と宇宙を切り離した存在ではない。切り離してもいけない。人類の未来は、ホークング博士のような物理学者が警告できる問題ではない。

ボヤン博士の言うように、「人類自身、人間自身が宇宙」なのである。