ソウルの道路から高濃度の放射線量が検出されたことの意味

このたび、ソウルの住宅街の道路から高濃度の放射線物質セシウム137が検出されている。東亜日報は、この報道がなされた後には「道路から子どもの姿が消えた」と報道している。周辺住民が検出し報告した放射線量の値は、毎時3マイクロシーベルトである。これを受け国家技術院が検出したところ、1.4マイクロシーベルトであったそうだが、これはどこに原因があるのか?福島から飛んできたのか?徹底した調査が強く望まれる。


日本の福島原発からの影響かというと、いやそうではないだろう。高濃度の放射線を出すこのアスファルト道路は、2000年にソウルで建設舗装されたものだからで、すべてはアスファルトから由来しているのである。つまり韓国にも、日本と同じように多数の原発があり、その放射性廃棄物の処理において、コンクリやアスファルトと混ぜて、処分しているのであろうが、これが日本と同じような原子力国家の怖ろしい現実の姿である。放射能を全土にばら撒いているのである。特に韓国は、総発電量の45%を原発に依拠しており、現在16基の原発が稼働しており、輸出にも全力をあげている。

韓国やインドには、原発や環境問題に関しては、住民参加による異議申し立てなどは存在しておるが、中国では原発における環境問題などはまだなにも始まっていない。原発に関する住民の異議申し立てなどは、国家への反抗分子とし処分されているのが現状ではないか。それだけに、原発の周辺の住民が放射能検出機をもって、周辺地域の放射能の徹底調査をする必要があろう。すでに中国の泰山原発の周辺の住人から、原発による健康障害が訴えられている。インドも同様である。


また原発による放射線廃棄物の処理に関しては、中国ではまだ全く認識されていないし、知られてもいない。原子力基本法も設定されてはいないし、すべては闇に包まれている。おそらく一般住民が、放射能検出機を持つことなど、罪に問われるのではないか。しかし今回、ソウルで見つかったような高濃度の放射線量が、中国の全土から見つかるようになるとそれは遅いのである。日本はもとより、中国、韓国、インドなど厳密な放射能の詳細な調査が、全国で強く望まれるのである。






ソウルの住宅街 高放射線 道路の舗装撤去 住民健康調査へ

2011年11月8日 東京新聞 朝刊


ソウル北東部の住宅街の道路から放射線量の高い数値が検出され、住民の不安を招いている。路面のアスファルトが原因とみられ、韓国政府の傘下機関である韓国原子力安全技術院が調査を始めた。

周辺住民が携帯用測定器で測り、届け出た値は毎時三マイクロシーベルト。技術院の精密測定で同一・四マイクロシーベルトだった。どちらも、日本で文部科学省が学校校庭の除染目安で示した同一マイクロシーベルトを上回る。

問題となったアスファルトは二〇〇〇年に舗装された。高い数値が検出された後、ソウル市が六日までに周辺のアスファルトとともに撤去した。朴元淳(パクウォンスン)ソウル市長は同日、周辺住民の健康調査を指示した。技術院は、放射性物質の混入ルートなど汚染原因を追及する一方、「路上に毎日一時間ずつ一年間立っても、国際放射線防護委員会が平常時の一般人の年間被ばく限度の指標値として示す線量一ミリシーベルトの半分」と説明。人体に影響を及ぼす水準ではないとしている。


環境団体は「政府の対策や説明が不十分」と反発、韓国紙・東亜日報は七日、「恐怖で道路で遊ぶ子どもがいなくなった」と報じた。