原爆医師の叫びは世界を変える!

これは、94歳の広島の医師、肥田舜太郎氏が、「広島原爆から福島原発における内部被ばく」について赤裸々に語られた講演である。肥田氏の講演は、現在さまざまに存在しているが、これは、埼玉県にある原爆の図 丸木美術館が主催して、10月22日(土曜日)に行われた講演である。約300名の聴衆が参加した。

全時間は質疑応答も含めて約2時間半であるが、広島の原爆投下における最も重要な証言となっていると思う。録音の音声が弱いので、イヤーホンをつけて聴かれることを願う。

肥田氏の証言で最も重要なことは、「原爆投下後、米軍は7年間にわたって、研究者や医療従事者に原爆被災のことを一切しゃべってはいけない。研究してもいけない。記録は一切残してはいけない。患者へ内部被ばくなどについてしゃべったら重罪に処す」と言明したということである。そのことが。これは患者の治療にあたる医師として最も辛い体験となったことを赤裸々に証言されており、この怨念とも言える証言こそは、戦後の被ばく患者記録を全面的に塗り替えていくような重要な記録となっている。そしてその怨念は、現在の原発社会と施政者へ向かっている。

そして同時に、肥田氏は福島原発との内部被ばくの類似性も指摘され、これから日本人は放射能国家の中でいかに生き抜くべきかを最も感動的に語られている。94歳にして自らの体験をこのように証言される肥田氏に心からの畏敬の念を感じる。

USTREAMにて2時間半
丸木美術館にて(2011年10月22日)
http://www.ustream.tv/recorded/18182290