今、絵地図分析ワークショップが最大におもしろい。創造的な 4月14日のワークショップへのご招待

絵地図分析とは、言葉と絵とデザインを使って自分自身や社会の問題の内面的な「絵地図」を客観的に作成するというもので、自分自身の顔を映し出す鏡を作り出すような作業です。これは、「地球上では自分自身に一番興味を持っていて、だれでも自分についての生き方を絵図として表現してみたいと思っている。」ということから出発したものです。こうした不安な時代、誰しも人生や自分自身の航海図を欲しがるものですが、それは自分自身の偽りのない欲求や現実などの問題を基本にしながら本音で作成していくものです。つまり自分自身の問題を把握するところからすべて始まるのです。すべての問題は、事実をきちんと把握することから結局は解決に向かうことになるのです。非常に刺激的なワークショップです。


泥遊びするインドの子どもたち


昨年の12月24日開催された第1回ワークショップで、参加者が作成した3枚の絵地図の本格的な分析作業をグループ内で行います。グループは新しいメンバーも加えて行いますので、どなたでも参加できます。絵地図を分析することの意味を本格的に行います。後半からは、個人の絵地図分析のやりかたについて、具体的な課題に挑戦していきます。

1.とき:4月14日(土)午後6時から午後9時まで
2.場所:JR飯田橋駅2分 飯田橋セントラルビル10F
http://www.tvac.or.jp/images/infomap_large.gif

3.参加者:20名、 参加費:2000円(材料費込) 先着順で締切ます。

4.申し込みの連絡先と問い合わせ:iclc2001@gmail.com   (03)3718−5260
氏名、住所を書いて申し込んでください。

5.内容:

1) 第1回ワークショップで参加者が作成した3枚の絵地図の本格的な分析をグループで行います。
後半では、個人の絵地図分析のやりかたについて、具体的な課題に挑戦します。

2)絵地図の理論と応用編 (世界でのさまざまな絵地図分析Wの紹介も行います)
福島の被災地で行った心理絵地図、インド、中国、韓国の大学での多種多様の絵地図展示

3)参加者による個人別(人生マップ)とグループ別の実践的なワークショップの実践

4)それぞれのケースの発表と今後のフォロー

6.講師:(国際識字文化センター)絵地図分析研究所代表  


内容:________________________________________


自己表現力が、自由にできないと人はだれでも社会参加の中で孤立感を深めていきます。現在の社会では、孤絶した個人が余りにも多く、他人とのコミュニケーションが十分取れない人々が増加しています。これは言葉、文字、絵、デザイン、地図などを使ってさまざまな課題(自分自身や社会)に自由に挑戦していく手法です。日本で開発されたもので今回初めて開催します。

a)あらゆる教育における新しい発見、アイデア、創造性を生み出し創造的な力を育む。
b)個々人の人生や社会で直面している悩みや問題を明らかにし、実際的に解決する力を育む。
c)学校での創造的な教授法や革新的な教育方法を参加者自身で生み出す力を育む。
d)企業や団体内において、現状問題の把握・解決や新規プロジェクトの開発・計画を実行する力を育む
e))絵や文章や社会で表現されたものを分析し、それから読み取る力や技術を育む。
f)年齢、職業、関心などが異なる参加者が、共同で新しい発想や戦略を生み出す力を育む.


内容:
1)理論編と実践編 (理論の基礎編と世界でのさまざまな絵地図分析Wの紹介
2)参加者による個人別(人生マップ)とグループ別のワークショップ
3)それぞれのケースの発表と今後のフォロー



これまで実施されたワークショップ(国・地域と対象):
●日本の小・中・高校・大学での個人およびグループ用ワークショップ、
●東北震災の被災地でのワークショップ(いわき市
●日・中・韓の作家・イラストレーター・編集者合同ワークショップ(「海の環境問題」)
●韓国:梨花女子大学(「ストレスに打ち勝つには」)子どもたちの人生マップ
●ナミソム島(「南北の平和の実現について」「人生をどう生きるか))、学生と子ども
●淑明女子大学(「何を大学で学ぶか」)、梨花女子大学(私の人生マップ)
●ソウルのNGO(「「人の生き方や、グループのありかたについて」)、
●韓国の著名なコンピューター通信会社での幹部研修
●中国:南京師範大学(「人生と社会」、「未来の社会」)[私の人生について](就職活動)
パキスタン:ラホール女子大学(「カスール市の河川の環境」に関して)、
●ラワルピンディで近隣の農村女性のためのワークショップ(半数の女性は識字者、半数は非識字者)(「村がかかえる深刻な課題の解決に向けて」)
●インド:南インドのダリット(最下層カースト)女性、NGOの研修(「村の再生化に何ができるか」)
カンボジア青少年教育局(「カンボジアの青少年活動と未来」)
●南アジアの芸術家たちのワークショップ(「国境を越えて、どのような連帯活動が可能か?」)
●その他多数



絵地図分析とは、言葉と絵とデザインを使って自分自身の内面の絵地図を作成するというもので、自分自身の顔を映し出す鏡を作り出すような作業です。その基本的な哲学は、「この地球上ではだれも自分自身に一番興味を持っている。しかし誰も自分についての生き方を真剣に教えてはくれない。」ということから出発したものです。こうした不安な時代、誰しも航海図を欲しがるものですが、それは自分自身の偽りのない欲求や現実などの問題を本音で作成していくものです。つまり自分自身の問題を把握するところからすべて始まるのですが、問題をきちんと把握することは、結局は解決に向かうことになるのです。この方法は、現実に直面している諸問題に対して、グループ討議や文章、絵表現、色彩やデザインなど記号や数値で表現できない心理を地図を作成して分析していくものです。



ワークショップの中ではそれぞれ異なった視点や見解をもつため多くの発見があります。しかし、言葉や絵で表現された絵地図には、たとえどのような拙いものであったとしても、真実の断片をどこかにのぞかせています。その真実の断片から、描かれた絵地図を詳細に分析し、隠れている個人や社会の真実全体を浮かび上がらせながら客観的に分析する方法は、個人や全参者に大きな活力や創造力をもたせることになりましょう。



絵地図分析には、ふたつの効果があります。ひとつには、人や社会の内奥にある苦悩を作品(絵地図)の中に表現することによって、精神分析に似た高揚感がもたらす自己や社会の解放です。もうひとつは、その結果生まれた絵地図を詳細に分析し、アクションのための具体策を作成することによって、その後の生活や人生にとって積極的な羅針盤となる知恵や情報が得られることです。

作業そのものは体験と想像を駆使して自分自身に問いかけながら集中して行うワークショップ形式なので、おもしろさとその刺激のある創造性に時間が経つのを忘れてしまうほどです。だれでもこれを行うと虜になってしまうでしょう。人生を豊かにするためには、自分の感情やとりまく環境を言葉により明確に理解し、そこから自己を解放する術を見つけ、実践しながら身につけなければなりません。ところが人生では、人が生きてゆく上での最も重要な技術は、学校や社会では誰も具体的には教えてはくれないのです。

人生を豊かに生きるためには、自分の感情や自分の生きる環境を、言葉や表現力により明確に把握し、そこから自己を創造して行く術を実践しながら身につけていかなければなりません。ところが、こうした人が生きてゆく上での最も重要な人生のスキルは、誰も教えてはくれないのです。しかしこれが、これからの子どもたちには、最も重要な教育になってくると思うのです。

我知らずいつの間にか絶壁に追い込まれている子どもや大人たちを対象に、言葉と絵の力を用いて、問題解決のための具体的なアクションプランを自ら作成する力をつけること、またどのように彼らを励ますのが、最良であるかを具体的に見つけることが、絵地図分析の最大の目的です。問題の在りかを隠さずに、誤魔化さずに、明確に把握することが、解決への糸口です。
絵地図分析の原型は、1970年代に田島伸二によって考案され、1980年代にアジア・太平洋地域のユネスコによる多数のワークショップの中で、参加分析法(New Partcipatory Method) としてアジアの国々で広く普及し、その後数々の改良が加えられ、日本では2001年から本格的に絵地図分析として、東京にある絵地図分析研究所により実践されるようになりました。

そして東京大学教育学部や全国の教員養成あるいは国内の女子大学、韓国など海外の大学などでも効果的に使われました。東京都内の公立小学校などの協力も得て、絵地図分析による授業も数回行われました。学級崩壊の状態にあった6年生のクラスでは、絵地図分析の作業を続けるうちに、他者への関心が喚起され、その後は非常にまとまりのある授業を行えるようになりました。



◇参加者からの感想◇ 
<学級崩壊の状態にあった小学校6年生のクラス>

●ぼくの絵地図ができたときに体の力がぬけてらくになった。(男子)
●自分が今、思っていることを何でも絵地図に表そうといっしょうけんめいにやった。今まで味わったことのない感覚を体験した。自分を見つめて自分のいいところや悪いところがどんどん見えてくるような気がしてどんどん手がうごいた。友達が作ったのを見て「ああ、この人はこんな人なんだ。」というのが感じられた。自分が発表するとき、みんなも「この人はこうだ。」と感じとってくれたのでとてもうれしかった。 (女子)
●私は絵地図のワークショップをやって、あらためて自分の思っていたことがよくわかりました。いろいろ考えながら見ていると楽しいことがうかんできたりしました。自分は朝、起きれないと書いたけど、じぶんで努力していたら、すっきり起きれるようになった。(男子)
●絵地図が終わったあと、いろいろな目標ができた。やりたい目標について次は「どんなやりかたをすればできるんだろう」と考えた。(女子)




<韓国で行った親子を対象としたワークショップ>
●家族が幸せになるためにはどんな努力が必要か、あらためて考えてみるいいきっかけになった。また、子供が考えている幸せは意外と小さく、しかも近いところにあるということを今更のように気がついた。
●家族の考え方を知ることができても楽しい時間でした。また、「家族会議の際には、この方法をみんなで一緒にやるのがいい。」と思いました。今回は、家族間の情が厚くなり、一緒に何かできたのでよかったと思います。
●家族と子供の将来の夢に対して、詳しく考えてみるきっかけになりました。今までは無条件に母親の意見に従うよう子どもに強要するときが多かったです。しかし、今回のこのワークショップを通じて、子供の直接参加を通じて、子供の考え方を理解することができました。
●何よりも子供が何を欲しがっているのか、何を願っているのかを知るきっかけになったことが一番よかったと思います。家に帰ると、子どもの立場から子供の考えを尊重する母親になろうと努力しようと思います。
●これからの私の人生について改めて具体的に考え、前より目標意識を持つことができて有意義な時間でした。家族の、思考、希望、悩みなどを理解できたし、具体的にうまくまとめることができました。これからも様々なテーマを決めて、この方法を用いて、家族の考え方や希望などを理解する手段として活用する計画です。

マインドマップとは、大いに異なり、言葉や文字から捉える世界だけではなく、絵やコラージュやデザインを多く使用するので、非常に開放的で、新しい発見をすることができます。遊ぶながら、広い世界を構築していくことができます。特に教師や生徒にとっても、学力という狭い範疇ではなく、「他人を理解する耳や異なった意見を常に統合しながら、新しい分析能力を作り上げて実際的な行動力ーこれこそが今の日本や世界で求められている「人間力」ですので非常に大きく役立つものと期待しています。

常に具体的で切実な問題を提示し、自由に自分を取り巻く環境から具体的に考える創造時間を通じて、「自分だったらどうするか?」という徹底した思考力や読解力をてる教育が原点にあり、それは今日世界的に広がりを見せているフィンランドの教育方式と類似しているとも言えますが絵地図は、さらにこれよりもはるかに先行する創造力や想像性をもっています。