第1回絵地図分析特別ワークショップ へのご案内 12月24日



第1回絵地図分析特別ワークショップ へのご案内

絵地図分析とは、言葉と絵とデザインを使って自分自身の内面の絵地図を作成するというもので、自分自身の顔を映し出す鏡を作り出すような作業です。その基本的な哲学は、「この地球上ではだれも自分自身に一番興味を持っている。しかし誰も自分についての生き方を真剣に教えてはくれない。」ということから出発したものです。こうした不安な時代、誰しも航海図を欲しがるものですが、それは自分自身の偽りのない欲求や現実などの問題を本音で作成していくものです。つまり自分自身の問題を把握するところからすべて始まるのですが、問題をきちんと把握することは、結局は解決に向かうことになるのです。
ー絵地図がめざす創造性とは、「心の中の問題を、自由な想像性や思考を駆使して、文字や絵やデザインなどで絵地図を作成して戦略を練ることです。つまり自らの諸課題を、わかりやすく楽しくプラス思考で表現して、それを具体的な実際行動に結びつけることです」


ー参加者が表現した文章のすみずみには、希望や悲惨や地獄が巧みに隠されている。それを分析することから戦略が生まれる。そのため、気になる島の意味をとことん掘り下げてみる必要がある。問題の解決とは、すべて最も実際的なことであり、最も具体的なことである。それを生み出すことがすべての始まりである。すべての問題への解決は、その背後にすべて隠されている。課題を明瞭に認識することができれば、どのような問題も解決することができる。
 
ー優先順位を作って、それにすべて全力で集中することが、すべてを解決に導くヒントである。その優先順位を決定するためには、二―ズや欲求の地図をまず作りあげることが重要である。言葉(文字)には、表現できるものや表現できないものがあるが、感情表現には多彩な絵、記号、漫画、コラージュなど線や色など多種多様な表現を使って、これをすべて活用して表現活動を行う
ーすべての行動は、自分を活性化させて、対外的なコミュニケーションを改善させることである。心はすべて外に表出される。楽しいから笑うと同時に、笑うから楽しいということも存在している。人間の形はこうやって出来て行動すると、心が必ずついてくる。

とき:    2011年12月24日(土曜日) 午後2時ー6時
ところ:   飯田橋ボランティアセンター セントラルプラザ10F
主催:    国際識字文化センター(ICLC)
先着20名に限定: iclc2001@gmail.com
参加経費: 2000円(材料費込み)
ワークショップの背景と目的:

a)あらゆる教育における新しい発見、アイデア、創造性を生み出し創造的な力を育む。

b)各個々人の人生や社会で直面している悩みや問題を明らかにし、具体的で実際的に解決するたくましい力を育む。

c)学校での創造的な教授法や革新的な教育方法を参加者自身で生み出す力を育む。

d)絵や文章や社会で表現されたものを分析し、それから読み取る力や技術を育む。

e)年齢、職業、関心などが異なる参加者が、共同で新しい発想や戦略を生み出す力を育む.

際限なく落ち込んでいく日本人の創造性や思考力を救うにはどうしたらいいのでしょう?
ーそして未来の日本を背負う日本の子どもたちの学力や想像力を育てるには?
ーしかし学力とはなにを意味しているのか?
ー人間を元気にさせることができるものはなんでしょうか?
ーいじめや学級崩壊を乗り越えるためには?


現在の教育界は、現場の教師や子どもたちに自由な創造性への裁量を与えず、自由な思考や体験を伸ばすことを全くしてこなかった悪しき日本式教育のつけがすべて出てきているのが今日の姿ではないでしょうか。こうした教育空間では、日本の再生も世界への貢献もありえず、絶えず「長いものに巻かれろ」という思考や創造力だけが、不況の中でたくましく育っているように思います。


これを打破するには、OECD学力調査で世界一のフィンランドの教育方式はある参考になってきますが、それだけでは日本ではこうした能力は育たないように思います。日本人の風土にあった創造教育が必要で、それはICLCが開発した「絵地図分析ワークショップ」という先の時代に先行した方式です。これはすでに日本、韓国、インド、中国などでワークショップが多数開催されており、大きな成果を出しているものです。


それは具体的な問題を提示し、自由に自分を取り巻く環境から具体的に考える創造時間を通じて、「自分だったらどうするか?」という徹底した思考力や読解力を育てる教育で、それは今日世界的に広がりを見せているフィンランド方式と類似しているとも言えます。しかし類似しているのではなく、これをさらに先行する創造力をもっています。


ICLCが推進している絵地図分析(PMA)という独創性を通じて、個人やグループで、自由で独創的な読解力を楽しみながら短時間に創造力を身につけることができる画期的な創造教育。結局、たくましき人間力をもった子どもたちを育てていくには、学力という狭い範疇ではなく、「他人を理解する耳と、異なった意見を常に統合しながら、新しい分析能力を作り上げて実際的な行動力ーこれこそが今の日本や世界で求められている「人間力を通じての学力」そのものではないかと思います。


寓話を書いたことがあります。その物語のストーリーとは、「人間は言葉と手を使って宇宙のなかで華麗なる文明を築いた。そのため他の惑星の住人が人間の言葉や両手の実態を見学にやってきた」 しかし結局、かれらが地球上で見た人間の文明とは、「言葉と両手の使い方を誤ったために、結局は憎しみや破壊や戦争の文化を築いて、終には文明が滅びてしまった。」という悲劇的な物語です。


考えてみると私たちの言葉は、使う方向性や使い方を誤ると、剣のようにひとの気持ちを切裂いてしまったり、矢のようにひとの心に突き刺さって、簡単に人の心に地獄絵図を作ることができるのです。何気なく教師の放った言葉でも、子どもたちの柔らかい胸には鋭い矢のように突き刺さってしまうことも、しかもその子どもたちの中にはその突き刺さった矢を抜こうともせずに復讐を考えたりもすることもあるのです、それは親子関係でも、友達関係でも、国際関係でもすべての面で同じようなことが言えるのです。


しかし、反対に人を生かしていく言葉は、精神的にも苦悩のなかにいる人々を国境を越えて元気づけたり、わずかの言葉でも恋愛のように人を生き生きと蘇らせていくものです。しかし現代では、言葉の本来の役割である「人と人を結ぶ大切なコミュニケーション」がだんだん忘れられているような気がするのです。機能的に陥りすぎた言葉、無感覚な言葉、仲間内だけの言葉、自分の目的だけに引っ張りたい言葉などが氾濫し、人と人との深いコミュニケーションや自分自身の表現方法についても余り関心が払われていないように思うのです。


私はこれまで30数年間、ユネスコ活動などで識字教育を行ってきましたが、それらの現場での成功例と失敗例をもとに、現在「絵地図分析」という新しい自己発見のワークショップを国内外で開催しています。それは、近年、「人の言葉を聞くこと、自分を表現できる力、あるいは文字や絵で伝える表現力の強化などさまざまなコミュニケション能力」などが、子どもたちの存在や日常から非常に希薄になり、大人を含めて「自分がどこにいるのか?どこに行こうとしているのか?いったい何をしたいのか?」といったことで大きく揺れて不安の中で自分探しを痛切に求めていることを知ったからです。