人生の可能性を飛躍的に広げる絵地図分析(PMA) ワークショップ (締め切りは12月末まで)

人生の可能性を飛躍的に広げる絵地図分析(PMA)


1. 子どもや大人たちの現在とは!



絵地図分析とは単純に言えば、にんげん それぞれが今、人生の中でどこにいるか、なにをしようとしているか、問題や煩悶をどうやったら解決できるか? そのためにはどのようなアクションが必要かを自分自身が作成した絵地図のなかに書き出し、自分自身の力で実践していく方法です。絵地図は過去・現在・未来の時間と結びつきながらも、多様で多彩な自分自身の可能性をどうやって心の中に見つけ出すかというものです。いわば自分自身と誠実に向き合って自分自身の心や精神のありようを客観的に文字と絵で表現しようというものです。



誰でもよく経験あることですが、室内から出ようとして窓ガラスに当たったハエやトンボは、ガラス窓に体当たりしてバタバタともがき苦しみ、その世界ですっかり消耗して生きることができなくなってくることがあります。しかしその場所から少し離れて自分の置かれているところを見れば、広々とした自由な空間や時間がいくらでもあり、脱出口だっていろいろあったにもかかわらず、地に落ちて希望や心を失っていく現代の子どもたち、そしておとなたち。



現代世界の不安定な発展とコンピューターなど現代のテクノロジーなどの急速な開発や環境の変化により、子どもも大人も翻弄され続け、不安の中で焦燥感にかられている現代の子どもたちの目はそれを如実に示しています。子どもたちが自立できるためには、内面から自分自身の道を自分の力で発見していく必要があります。自然の強さとは自立を意味していますが、人間世界は自立を困難にさせる非情な環境を作っているのです。人間ひとりひとりは、ひとりひとりの素晴らしい個性を持っていて、それは誰しも同じです。個性に優劣はありません。それを自分で発見する機会を与え、ひとりひとりの目を輝かせることが教育において最も重要なことなのです。


世界の国々を訪れて痛感するのは、日本の子供たちの目は生きていないということです。欲望と競争の渦巻く大海で、内心は深く傷つき目的も持てずにあてもなく漂流を続けているー物や環境には恵まれているように見えても、自分が果たしてどういう存在なのか?どこから来て、なにをして、どこへ行けばいいのか?





自分の人生に全く確信できないでいる。そんな子供たちや大人たち自身が、内面や環境についての絵地図を作ること事による自己分析を試みようとしています。それは簡単に言えば、文字と絵と記号によって自分自身の絵地図を制作するのですが、体験とイメージを駆使して自分自身に問いかけながら行うワークショップですのでとても刺激的で創造的なものです。


つまり絶壁に立っている子どもたちや大人たちを対象に、豊かな言葉と絵を使ってどうしたらかれらを励ますことができるか、そして解決のための具体的なアクションプランを自らの力で作成するにはどうしたらいいのか考えるというのが、絵地図分析の最大の目的です。
この分析をやっていると知らず知らずのうちに参加者は、内面から大きく変化していくのに気がつきます。人は自分自身の人生を豊かにするために、もっともっと幅広く深い言葉を使い、もっともっと自分自身を主観的にも客観的にも表現しながら、自分自身を広く解放する術を具体的に知らなければなりません。こうした人生上での重要スキルはだれも教えてはくれないのです。







2.絵地図分析のはじまり
絵地図分析の原初は1970年代に始まり、1980年代はアジア・太平洋地域のユネスコのワークショップの中でさまざまな参加分析NP法が普及され、2001年から本格的に日本の学校などでも実践されることになりました。それは悩みや煩悶に囲まれている子どもたちが自らの生き方を客観的に分析しながら、友だち、家族、先生、社会との関係を文字と絵を使って、問題に気づき、解決法を見つける方法を試みたものです。そのため東京都の公立小学校の諸先生の協力をえて、これまで数回の絵地図分析の授業を行ってきました。学級崩壊があり、全体にまとまりのないクラスが、絵地図分析が始まったらみんな一生懸命に我を忘れて絵地図制作を開始しました。これはワークショップに参加した子どもたちの感想文です。


― ぼくの絵地図ができたときに体の力がぬけてらく



  になった。      (12歳の男子)
 ―  自分が今、思っていることを何でも絵地図に表そうといっしょうけんめいにやった。今まで味わったことのない感覚を体験した。自分を見つめて自分のいいところや悪いところがどんどん見えてくるような気がしてどんどん手がうごいた。とっても不思議な感覚で、自分でもどんなことをどんな風にかんじているのかが、よくわからなくなってきてしまった。でも自分自身のことをよくわかれるようになれた気もした。また作ってみたいと思った。こんどはもっと広いはんいのものも書いてみたいなあと思った。友達が作ったのを見て「ああ、この人はこんな人なんだ。」というのが感じられた。自分が発表するとき、みんなも「この人はこうだ。」と感じとってくれたのでとてもうれしかった。家で絵地図を見ながら深刻に考えたり笑ったりしました。楽しかったです。 (12歳の女子)



― 今、自分の考えていることは全部努力すればできそうなことなので時間がどれだけかかっても自分の考えていることができるようになりたいです。 (12歳の女子)


― 私は絵地図のワークショップをやって、あらためて自分の思っていたことがよくわかりました。例えば、私は自分の夢ややってみたいことがとても多かったのです。私は自分について絵地図をつくったのは初めてだったので、最初はどういうことを書けばいいのか、初めはわからなかったけど・・だんだんよくわかってきて、楽しくなってきたのでとてもよかったです。私はできた絵地図を家に持って帰って、家のなかで一番見やすい所においてときどき見ました。そしていろいろ考えながら見ていると楽しいことがうかんできたりしました。私はこれを書いてとてもよかったなと思いました。    (12歳の女子)



 ― 自分の好きな絵地図を作っているから頭の中にどんどん島がうかびあがってきて楽しかった!いっぱい浮かんできたので多すぎて、書き入れられなかった。でも半分以上は書き入れられた。空いている所に女の子の絵を書き入れたら、絵地図がとてもカラフルになった!!その女の子のふきだしにセリフを入れたら、空いている所がほとんどなくなって楽しい絵地図になった。いろいろな島ができて、本当の絵地図になったよ。白い画用紙から・・・・絵地図へ       (12歳の女子)


― 絵地図の中のダメダメ島という所に書いてあったことがよくできるようになった。けんこう島には自分は朝、起きれないと書いたけど、じぶんで努力していたら、すっきり起きれるようになった。  (12歳の男子)



― 自分のいやなところもいろいろあったが、自分はいろいろの夢をもっているのがよくわかった。絵地図が終わったあと、いろいろな目標ができた。やりたい目標について次は「どんなやりかたをすればできるんだろう」と考えました。       (12歳の女子)



― 最初やり始めた時は、なかなか自分の世界に入れなくて、やる気がなかったりしていたけれど、やっているうちに自分の好きな事やショックな事がうかんできて、ちょっとは自分と向き合うことができました。書いているうちに、今の自分は一体なんだろうかと思いました。家に帰ってからも全体をながめていたら、自分の目標が少ない事に気がつき、これから目標をどんどん増やしていきたいと思いました。(12歳の男の子)



人は誰でも人生や社会の中で、自分自身の居場所や明瞭な地図を作ろうと試行錯誤しています。
地図があれば、今いる居場所を確かめることもでき、人生や社会の東西南北をはじめ、生きて行くべき方向が明瞭に見わたせるからです。

しかし、人はだれでも複雑な問題や悩みにも遭遇しており、これを解きほぐしながら道を見つけ出していくのは容易ではありません。そのため、この方法は、人間の心理に基いて作成していく心理地図の分析方法のやりかたです。これは長年のユネスコ(国連教育科学文化専門機関)活動、国際教育、創作活動の中から生みだされたユニークな創造教育の方法です。これまで多数の国で実践されてきました。それはそれはおもしろい方法です。

今回は、参加者は、問題に向けて、文字、言葉、文章、絵、図、地図、コラージュなど(たくさんの色彩で)表現していきます。学級崩壊で苦しむ教師や個人でもグループでも、誰でも楽しんでできる方法ですが、かなりの集中力と自由な創造性を要します。

とき:    2011年3月19日(土曜日)午後6時30分から10時まで
ところ:   中目黒GTプラザ会議場
講師: 田島伸二(絵地図分析研究所 (Picture Map Analysis)

1.プログラムの内容:

1.絵地図分析とはなにか?
2.なぜ絵地図分析という手法を開発したのか?
3. だれでもできる実践編 

申し込み: iclc2001@gmail.com (先着順)

心理地図の共同作成による創造的な絵地図分析の目的:  

a)あらゆる教育における新しい発見、アイデア、創造性を生み出し創造的な力を育む。
b)各個々人の人生や社会で直面している悩みや問題を明らかにし、具体的で実際的に解決するたくましい力を育む。
c)学校での創造的な教授法や革新的な教育方法を参加者自身で生み出す力を育む。
d)絵や文章や社会で表現されたものを分析し、それから読み取る力や技術を育む。
e)年齢、職業、関心などが異なる参加者が、共同で新しい発想や戦略を生み出す力を育む.

3.方法論:
これは3心理地図の共同作成による絵地図分析のワークョップを通じて、個人または参加者全員で行う。この方法は数名のファシリテーター(演習のための講師)によって、進行する。



4.内容:

この方法は、現実に直面している諸問題に対して、グループ討議や文章、絵表現、色彩やデザインなど記号や数値で表現できない心理を地図を作成して分析していくものです。

ワークショップの中ではそれぞれ異なった視点や見解をもつため多くの発見があります。しかし、言葉や絵で表現された絵地図には、たとえどのような拙いものであったとしても、真実の断片をどこかにのぞかせています。その真実の断片から、描かれた絵地図を詳細に分析し、隠れている個人や社会の真実全体を浮かび上がらせながら客観的に分析する方法は、個人や全参者に大きな活力や創造力をもたせることになりましょう。

絵地図分析には、ふたつの効果があります。ひとつには、人や社会の内奥にある苦悩を作品(絵地図)の中に表現することによって、精神分析に似た高揚感がもたらす自己や社会の解放です。もうひとつは、その結果生まれた絵地図を詳細に分析し、アクションのための具体策を作成することによって、その後の生活や人生にとって積極的な羅針盤となる知恵や情報が得られることです。

作業そのものは体験と想像を駆使して自分自身に問いかけながら集中して行うワークショップ形式なので、おもしろさとその刺激のある創造性に時間が経つのを忘れてしまうほどです。だれでもこれを行うと虜になってしまうでしょう。人生を豊かにするためには、自分の感情やとりまく環境を言葉により明確に理解し、そこから自己を解放する術を見つけ、実践しながら身につけなければなりません。ところが人生では、人が生きてゆく上での最も重要な技術は、学校や社会では誰も具体的には教えてはくれないのです。

いつの間にか絶壁に追い込まれている子供や大人たちを対象に、言葉と絵と地図の力を用いて、問題解決のための具体的な行動計画を自ら作成する力をつけること、また、どのように彼らを励ますのが最良であるか、それを見つけることが絵地図分析の最大の目的だと言えましょう。