王監督といい、俳優緒形拳といい、人生の時を美しく燃やす男たち

去り際の美しさを今日の二人に見る。今日、王監督ソフトバンクを率いて東北楽天と最後の試合を行った。試合では残念ながら1対0で楽天に敗れ、花束を野村監督から贈られて長い野球人生にピリオッドを打った。試合に敗れた王はいかにも無念そうでさびしそうであったが、12回も試合できたことを喜んでいた。彼は最後の最後まで全力投球する美しい姿を見せた。率直さが人生では最も美しい。
そして2日前亡くなったという俳優の緒形拳(71歳)。5年も前から肝臓がんの病を関係者にも隠しながら亡くなる数日前まで、俳優として全力投球をした俳優人生を生きた。
 かれらを見ていると、自らの道に実に誠実に、真摯に、しかも外には決して現さないが内面では常に熱血に燃えていた。静かに熱く燃える男たちであった。いい形を人生で作っていた。今日はまた、そして3人の日本人の物理学者がノーベル物理学賞を受賞した日でもあった。彼らは35年も前に行ったという素粒子に関する業績が受賞対象となった。熱中人生の若き日の仕事だ。

だれであれ、全力で生きる人生は美しい。それは失敗しても成功しても。ただその道が自分を生かし、人を生かしている道でないといけない。私もそういう人生の時期に差しかかっている。さらに全力を出さないといけない。そして内外において最も真摯であらねばならぬ時期。内に激しく燃えながら。