日米共に「民主党」が勝利を得るが、深刻な課題は続く・・・・・

今年11月に予定されているアメリカ大統領選挙、そして日本の衆議院選挙は、いずれも「民主党」が勝利を収めるのはほぼ確実な勢いになってきた。これは自然のなりゆきだ。どうあがいてもこれが歴史の流れなのだ。アメリカの共和党は、戦争やエネルギー産業と政治が深く結びついた既得権者の政党であって、イラク戦争やアフガン戦争などによって、国は破綻寸前に陥っているし、日本の自民党公明党の利権政治も全く同じような図式と構造である。日本政府が、アメリカの戦争外交に追随しながら、憲法九条へ修正を加えようとしているのも、戦争やエネルギー産業が、アメリカの利権政治と深く密着しているからに他ならない。恐ろしい時代を我々は生きている。

こうした日米の外交や内政姿勢によって、世界経済は大恐慌の一歩手前に差し掛かっている。
朝日新聞によると「成立した米金融救済法の実効性が疑問視され、欧州各国が金融危機対応に追われるなど、不安感が強まっている。東証1部上場銘柄の9割が下落。米雇用統計が悪化するなど実体経済への影響も顕著で、自動車や電機など輸出関連銘柄に売り注文が殺到した。銀行や証券など金融株も大きく下落。欧州の金融危機拡大が投資家の不安を強めた。」というのが昨今の姿である。

現実の政治において、ブッシュ外交のように大きな間違いがあれば、歴史の歯車は完全に狂ってしまうのだ。その結果、アメリカは現在の共和党から民主党へ、そして日本が自民党公明党から民主党へと転換していくのは、余りにも当然であるし、これ以外に選択の道はない。人々の意識は、すでに決している。相当のインチキが存在しない限り、アメリカでの民主党オバマ候補の大統領当選はまず間違いないだろう。

しかし問題は選挙で民主党が勝ったとしても残る。日本にしてもアメリカにしても、経済や金融危機破局の一歩手前にある。病人の回復でも同じであるが、深刻な病状で長い間放っておかれた癌患者は、緊急入院して手術を受けたとしても、間に合わないことが多い。今回の経済危機も生まれ変わったように日米の「民主党」が働いたとしても、乗り切ることができないからもしれぬ。間に合わないかもしれぬ。世の中には時間に遅れると取り返しがつかないことある。政治の世界がそうだ。病人をもっと早く入院させるべきであったのだ。もっと早く政権交代をさせるべきであったのだ。

アメリカの経済危機は、現在ヨーロッパを席巻しているが、これから本格的にアジアの危機が始まるだろう。それは中国を中心にしながら始まっていく。・・・もっとも今回のアメリカ発の世界の経済危機で一番大きく損失を蒙ったのは、ロシア、中国、インドであった。危機の裏には、世界経済危機の9.11が存在するのかもしれない。これは大きな世界的な課題だ。

見えない手によって世界の危機は容赦なく作られ、大爆発を起こしている。