ICLCの哲学と実践について

iclc20082008-09-30


ICLC国際識字文化センターの哲学と実践について
ICLCの哲学は、ほかの哲学にはないユニークな考え方で構成されています。

1)これは「ヒューマン・リテラシー(HLI)」という考え方に基づくもので、自分自身の人間性を豊かにすることを最大の目標にしています。どのような宗教的な力も借りません。これは自分自身の中にある自然力と人間性を使って、心理分析を行いながら治癒する方法です。そのためには、「絵地図分析」という心理的な地図を自分の力で、「文字、絵、漫画、写真、デザインの力の表現などを使って作成するものです。またHLIのインデックスを自分自身で図ってみることも行います。HLIのインデックスには5段階の方法があります。

2)この絵地図を分析しながら、自分自身のヒューマン・リテラシーを実現するためのアクションプランを作ることが入門編となります。どのような哲学であれ、アクション=実際の行為がないとなにも実現できません。そのためにこの分析の具体的なやりかたを個々のグループでやります。とてもおもしろく刺激的なワークショップです。

3)そして、ICLCでは、国境を越えたカリキュラム(教科書や教師の研修)作りを行っています。これはさまざまな国籍からなる人々で、共通の教科書や副読本を作っていくやりかたです。海洋や大気の環境問題のような教科書作りは、共通項はみつけやすいですが、歴史や信仰になってくると非常に難しいです。しかし21世紀とは、このような難しい分野にも挑戦する必要があります。
現在、ICLCでは、カシミール紛争を契機にして、インドとパキスタンなどの専門家で、国境を越えた共通の絵本製作を行っています。

また川と海の環境に関して、中国・韓国・日本の3カ国の専門家で、共通の絵本の共同作成にとりかかっています。これは中東やアフリカでも同じように始める予定です。

4)またキラン図書館というプロジェクトは、時代状況の中で最も苦しんでいる人々や子どもたちを対象にしたボラン手ア活動を行っています。文字の読み書きのできない人々や子どもたちのために、世界中にキラン図書館を設置する運動です。この図書館は、現在、パキスタンに5館、ミャンマーに3館ありますが、中東やアフリカ地域へも広げてゆくのが大きな課題です。

5)また活動の中のひとつに「手作りによる紙漉き」ワークショップがあります。自然の中の、草木から手漉きで紙をつくって、それから教材をつくって子どもたちに見せる、紙芝居や絵本などを創り出していきます。みんなの力で創り出す「教科書」もあります。これはコミュニティも参加した最もユニークな教材製作です。

6)国際理解などを実践するために、ICLCは連帯教育を推し進めています。連帯教育とは、人と人のつながりやむすびめを創り出していく人間力やコミュニケーションの力を意味しています。こうした力をもつことが人生をたくましく生きていくにも、社会の諸問題を解決するのも大きな力を発揮します。

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