時代の読み方、感じ方ー世界中の新聞を読むことの意味

私は、新聞を読むときには、日本の5紙は無論のこと韓国、中国、欧米(CNNなど)などを同時に読むことにしている。そうでないと事実は客観的にはわからないから。このたびの中山国交相の問題発言にしても、韓国の朝鮮日報は彼の問題発言に先立って、閣内の問題発言の常連二人の1人として、中山成彬氏をとりあげていた。日本のマスコミは、似たような論調はあるが、きちんとした政治家の批評などをやっていない。

朝鮮日報は、中山氏について「旧日本軍の従軍慰安婦の存在自体を否定し、慰安婦に関する記述を教科書から削除する運動の先頭に立っていた。」として彼の政治姿勢を問題にしていた。そして、ワシントンポストなども、麻生政権の最大の課題として、韓国や中国など近隣諸国との善隣外交関係を強く進言していたのである。つまり今回、こうした政治家が多用されたことへの心配と不安からであった。

しかし彼は確信犯的に問題発言をした。そして彼は追いつめられたが、こうした末期的な政治家によって末期の政治が行われているのが、現在の自民党公明党の政治姿勢。だから官僚たちにも馬鹿にされ、官僚制度のほころびにもシステムにも全く手がつけられない。麻生政権は、「官僚に使われるのではなく、官僚を使う政治が必要だ」と言っているが、とんでもない。なんの理念ももてず、状況もわきまえず、政治の実践のなんたるも全く知らない政治家がどうやって、実際の政治を動かすというのだ。しかも彼らは国師ぶっている。こうした政治家によって、日本は過去なんども破局に導かれている。

国交相に就任直後、成田空港の開設に反対した人たちを「ごね得」と表したのは、政治のイロハを知らない人間であったのは確かなこと。しかも中国ならば「土地の強制収用が自由にできる」と中国の強権体制を賞賛しているのである。こうした発言の内容は、自民党からも批判の声が巻き起こっているが、驚くことに、彼は小泉政権では、文科相をやっていたのだ。小泉にしても、麻生にしても、こうした資質の人間を多数登用して、靖国竹島を初め国際関係などに無責任に火をつけてきている。議員の辞職なども当然、麻生政権は化けの皮を徹底的に剥がされたというべきであろう。

こうしたことを知るためにも内外の新聞を多様に読んでいくことは、我々を客観的に知ることができる。特に韓国の朝鮮日報中央日報東亜日報(これらはすべて日本語でなどで読めるし、日本社会への鋭い批判やコメントが多数展開されているので重要な参考。

日本人には、厳しくもきちんと姿を映し出す世界中の鏡が必要なのだ。





朝鮮日報ー2008.9.25
麻生新内閣:問題発言の常連、親韓派ら多様な顔ぶれ

◆問題発言の常連2人
国土交通相に起用された中山成彬氏は、元文部科学相在任中の05年に「竹島(独島の日本名)を日本の領土として教科書に明記すべきだ」と発言し、いわゆる「竹島妄言」騒動を巻き起こした人物だ。中山氏は旧日本軍の従軍慰安婦の存在自体を否定し、慰安婦に関する記述を教科書から削除する運動の先頭に立った。国会で最大の極右集団で、歴史歪曲(わいきょく)教科書を支持してきた「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」の会長も務めている。
また、財務相と金融担当相を兼任することになった中川昭一自民党政調会長は、A級戦犯を祭る靖国神社に毎年参拝し、日本の核武装を主張する極右派だ。慰安婦の強制連行を認めた「河野談話」の修正も要求している。